LPガスは高カロリーでクリーンなエネルギーであることと、ハンドリング(持ち運び)に優れ、かつ災害時の復旧が早いこと、この2点が際立った特徴です。
また、電気、都市ガスが集中・ネットワーク型であるのに対し、LPガスは個別・分散型であるので、エネファーム(燃料電池)や太陽光発電などと組み合わせることで、私たちがこれから目指すべき“エネルギーの地産地消”を支える役割も期待されています。
【エネルギーの性状・特性、供給・利用形態】
電気 | 都市ガス | LPガス | 補足説明 | |
主な成分 | (注1) | 天然ガス | プロパン | |
発熱量 | 3.6MJ/Kwh | 46.0MJ/m3 | 100.4MJ/m3 | 1MJは、239Kcalに相当する。 |
供給 | 集中・ネットワーク型 | 集中・ネットワーク型 | 個別・分散型 | LPガスはハンドリングに優れ、災害時の復旧が早い。 |
利用分野 | 照明・厨房・給湯・空調~動力 | 厨房・給湯・空調 | 厨房・給湯・空調 | 近年は、技術開発により、住み分けがなくなっている。総世帯は5,200万世帯 |
利用地域 | 全国 | 国土の5% (都市部) |
国土の95% | |
利用世帯 | ほぼ全世帯 (注2) |
総世帯の52% (2,700万世帯) |
総世帯の48% (2,500万世帯) |
(注1)原子力・石油・石炭・水力などからつくられる二次エネルギー。また、電気は発電(製造)から消費にいたる過程で、排熱・送電ロスが63%も生じますが、LPガス、都市ガスはほとんどありません。
(注2)オール電化住宅は推定485万戸(2012年3月末、朝日新聞報道)。
【LPガスの国内流通フロー】
LPガスは全国2,500万世帯で使用されているほか、タクシーなどの自動車用、化学原料用、電力用として利用されています。また、都市ガスでも原料の一部としてもLPガスが利用されています。
LPガスは、全国5カ所の基地で計150万トンの国家備蓄が行われるとともに、LPガス輸入業者によって常に50日分の民間備蓄が行われています。これにより、約90日分が常にストックされているので安心です。
【LPガスの中東依存度】
LPガスには海外から輸入したもの(随伴ガス)と、国内における石油精製過程で生産されたもの(精製ガス)があり、そのほとんどを中東などに依存してきました。しかし、近年ではアメリカなどからの輸入分(シェールガス由来LPガス)が増え、中東依存度が低くなりつつあります。