LPガスの最新機器について
LPガス機器は常に進化しています。安全で便利なだけでなく、省エネや環境にも優しい機器やシステムをご紹介します。
ガス空調システム(GHP)は、事務所・店舗などの電力ピークカットに大きく貢献します
電気は需要家に届くまでに6割以上が失われるうえに、東日本大震災による原発事故のあとは供給不安が生じ、節電が叫ばれています。そこで改めて注目されているのが、事務所や店舗、工場などで広く活躍しているガスエンジンヒートポンプ(ガスヒーポン、GHP)といわれるガス空調システムです。電気エアコン(EHP)に比べ、消費電力を10分の1、最も節電タイプなら100分の1まで減らせるからです。
GHPの仕組み
GHPは、ガスを燃料とするガスエンジンでコンプレッサー(圧縮機)を回し、ヒートポンプによって冷暖房を行うガス空調システムです。ガスエンジン、コンプレッサー、熱交換器などを内蔵した「室外機」と、熱交換器を内蔵した「室内機」、それらをつなぐ「配管」からなっています。配管の中を「冷媒」と呼ばれる物質が気体や液体に変化して循環し、冷房時と暖房時では、冷媒の流れが逆になります。
GHPのメリット
消費電力を1/10、タイプによっては1/100に低減
ガスエンジンによる空調システムなので、消費電力をEHPの10分の1に減らせ、電力のピークカットに貢献します。最も節電タイプなら100分の1まで減らせます。
受電設備の費用削減や不要化にも貢献
消費電力を減らせることで、節電のほか、キュービクル(受電設備)費用の削減や不要化にも貢献します。
環境にやさしいガス空調、エグゼアなら26%低減
超高効率タイプの「XIAR」(エグゼア)は、通年エネルギー消費効率(APF)がEHPを大きくしのぐ5.6以上あり、節電とCO2削減に貢献します。CO2排出量をEHPの16馬力(トップランナー)と25馬力GHP(エグゼア)比較すると、エグゼアは最大26%削減できます。
暖房はパワフルでスピーディー
GHPによる暖房は、ガスエンジンの排熱も利用するため、霜取り運転をする必要がないので、EHPよりもパワフルでスピーディーな暖房を実現します。
停電や災害時にも安心
GHPは、タイプによっては内蔵発電機によって停電時の自立運転や外部への電力供給ができ、停電になったり、災害に見舞われたときに貢献します。
GHPのデメリット
GHPの燃料となるガス、特にLPガスは近年、輸入価格が高値で推移しているため、ランニングコストに割高感がありました。しかし、2013年前後からシェールガス由来のLPガスの輸入が始まっていることから、これがけん制材料となり、先行きは下降していくと期待されています。
なお、LPガス料金は事業者や供給形態ごとに異なる自由契約料金です。